カレンダー

2013年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

Dr.シモンのオンライン長時間透析室

α1ミクログロブリン測定の意義はあるのか?

2012.12.20 カテゴリ:α1ミクログロブリン

オンラインHDFの施設でありながら、今は長時間・頻回透析室へ傾いている当院です。

元町HDのある技士さんからはHDFにおいては『アルブミン漏出量の測定は必要だ』と言われつつ、手間のかからない方法は無いだろうか・・・?
 

HDF研究会では長年α1MG(分子量約3万)とアルブミン(約6万)を分離するための方法論を探し求めて来ましたが、この分子量の間にどんな尿毒素があるのかもまだ明確では無い時代から・・・。
 

草刈先生の施設でそっと見せてもらったα1MGの前後のデータ。
 

 

『こんなの何の臨床的意義があるのか解らんから測定していない』と掲示板にあったような気がすれど、ちゃんんと測定しているじゃない。
 

アルブミンが過剰に漏れる心配をしすぎ、その一方で業務に支障を来たさず実測をようやく始めた施設としては、α1MGの前後の除去率とアルブミン漏出量が相関関係にあるとの前提から、のおおよその予測を立ててみると・・・。

1g未満、1g~3g、3g~6g。この程度には除去率から推測してもいいのではという印象です

 

さてこれからは、本物のアルブミン結合尿毒素の除去量を測る一方で、漏れない膜での大量置換HFが以外といい感じですなのでこちらも色々と探求してみたいですね 

ステイーブ・ジョブスもビル・ゲイツもゼロックス研究所でコンピュター技術を見た。ステイーブは旨くその技術をMACに応用し、ビルはそのMACをマネをした。イノベーションは優れた模倣から始まる。

2012.10.29 カテゴリ:高血流・長時間透析

草刈先生の仕事の現場に行って、単純にQBの事や条件の事しか1日ではわからない。

 

一番大切なのは「透析医としての基本的な考え方」を日々の言動をどう仕事の中に落とし込んでいるかを生で見る事だ考えていました。

 

以下、昨日来の草刈先生の言葉を引用しましたが、多くの透析医やスタッフや患者は共感すると思います。

 

「小生は,長時間でも頻回でも,高血流でも,何でも良いと思います.HDFで有る必然性もそんなに多くはない.

その施設が,そして患者が受け入れられるベストもしくはベターの条件を模索すれば良いのです.

過剰透析というか,透析量を増やした事によるアンバランス,も保険診療内で対応できる事は沢山あります.」

 

 

「経営者や職員のQOLって,患者のQOLが良くなければ達成できないと思うのですよ.

その施設の大多数の患者が透析不足で悩んでいる状況を看過でき,何も悩まないような経営者や医療従事者って,自分の人生に悔いが残らないのかなあ・・・」

 

 

「HDは,体内の環境(水分,電解質や酸アルカリ,体液中の溶質濃度やその他諸々)が急激に変化する治療法です.血流が多い=透析効率が高いとこの変化が激しいわけです.

 

HDを受けている方々は,この変化に対応できる能力を次第に獲得していくわけです(不思議な能力).だから,血流量を上げるにしても,患者ごとに適応力を見極めながら慎重に,そして勇気を持って対応していかなければいけません.患者の対応力を超えた事をすればBP低下等の症状が出るのはある意味当たり前なので,だからと言って血圧が下がる事は『心臓の働き自体が弱った』からでは有りません.

 

患者ごとにそういう見極めをしながら治療設定していく.そういう,医療本来の姿が維持透析の現場でお座なりにされてきた事が,高血流=心臓に悪いという『都市伝説』を作り上げたのでしょう.」

 

 

 

「長時間透析や高血流のデメリットを如何に克服するか」

 

この点も「長時間透析研究会」で議論のテーマになると思います。

 

「デメリットを克服することはやりようがある」草刈先生がどうやっているのかは、日頃の言動でおおよそ想像はしていましたが、半分くらいは見えてきました。しかしまだまだ目に見えないレベルで隠れているのでしょう。

 

スティーブ・ジョブスもビル・ゲイツもゼロックス研究所に行って、様々な技術を目の当たりにした。そこからアイデアを盗んだのはステーブ・ジョブスだったけれど、ビル・ゲイツだってステーブ・ジョブスのMACのマネをした。

 

いいところどりにも頭がいると思います。

 

短時間・頻回透析が標準オンラインHDFよりいいことを証明したい。

2012.10.26 カテゴリ:頻回透析
オンラインHDFの世界は週3回、4時間の枠組みの中で進化してきました。

 

この限られた時間の中で効率よく広い範囲で尿毒素を除去することを目的としています。

保険の問題を棚上げして、医学的には、「毎日の透析のいい」と誰
もが思っています。

 
 
HDでもHDFでも毎日2~3時間すればいい。もっと長く寝ている時間を使って7時間~8時間を週7日したら、きっとオンラインHDFなんか必要ないかもしれない。

多くの長時間透析がいいと考えている人は身体に溜まった尿毒素を
さっさと除去すれば、アルブミンと結合する前の段階で除去できるんじゃないかと考えています。
 
 
(実は私だけ・・てな事はないと思いますが)

尿毒素が身体に溜まる前に除去すれば、アルブミンと結合した尿毒
素を除去するという発想も捨ててもいいかもしれませんね。

現在、毎日ではありませんが、週5回のHDFをしている患者がい
ますが。この患者のalbは3.9あります...。
 
抜けないヘモダイアフィルターを使っています。

もう一人、週5回HFをしている患者がいます。この患者のヘモフ
ィルターはアルブミンが抜けません。1994年開発の優れものです。

排液検査で見事にBMGまでしか除去出来ていない事を確認しまし
た。
さて、この患者のalbは尿毒素がとりついて、酸化型の割合が大きくなっているのでしょうか?

それとも、週5回している間にアルブミンに尿毒素が結合する前に
除去出来ているのでしょうか?

低アルブミンの患者さんです。
 
 
初めからアルブミン漏出は考えていませんでいた。心不全になりそうだったので、体液管理をする目的で3.5時間×週5回で開始して半年経過です。

一番知りたいのは、この方の「アルブミンの還元型と酸化型の比」
 
 
もし、週3回の方よりも還元型が多ければ、そもそもアルブミンを抜く事など頻回透析では不要となりますね。

HFにしたのは、除水量が多いからです。
 
 
HDだと毒素が抜けすぎて浸透圧も低下してきつくて続けられませんから。

「アルブミンを抜かないで毎日HFをする方が、週3回4時間大量
置換HDFよりいい」と考えていますが、これを証明する方法がこの「アルブミンの酸化型/還元型の比」を調べる事でヒントが見えるかもしれません。

長時間透析や頻回透析がいいと臨床的には感じている。しかし証明
が難しい。坂井瑠実クリニックのFGF23の低下もその一つの証明だと考えています。
 
 
そして、酸化ストレスの減少が証明できれば・・・・
 

 

 

アルブミン漏出よりも、透析回数が、還元型アルブミンを増やす可能性は如何?

2012.10.25 カテゴリ:アルブミン漏出

「愁訴の無い透析をまずは目指そうじゃないか。愁訴と死亡リスクには相関がある」。「もっと透析をすればいいんです。腎臓は24時間働いているのだから、週12時間でいくら高い効率でやったとしても追っつきはしません」

 

「いい透析」を考える場合、視点はいくつもあるけれど、第一にはその日の透析の安全とQOLだと思います。第二は透析患者の心血管系死亡のリスクが明らかに高く、同年齢の健腎者と比べて2倍の死亡リスクがあるという現実です。

 

この死亡リスクを減らす事を最終的なゴールとするのが、医学の使命であるのは、外科、内科診療科を問わず、疾患を問いません。

 

死亡リスクを高める要因は幾つもあります。古典的には血圧(体液の管理)からリンの管理(石灰化)、栄養状態(感染症)など。

 

CKDが透析導入以前から血管内皮の障害の原因になっている事は周知の事実です。CKDが最大のCVDのリスクであると気がついたの

は腎臓内科医というよりも循環器医では無いかと思います。(記憶ではそうですが・・)

 

酸化ストレスがあらゆる領域で問題となっています。「酸化ストレス医学」「糖尿病と酸化ストレス」生命がこの地上で酸素を取り込んでエネルギーに変換することと引き替えに我が身に背負った負のリスクが活性酸素と言う事ができますね。

 

活性酸素は至る所で遺伝子を損傷する。今では、疾患の重症度を予測するマーカーとしてこの「酸化ストレス」が用いられています。

 

透析患者のアルブミン値をどの程度に保てばいいのか?

 HDF研究会の成り立ちを考えると「アルブミン結合尿毒素に結合して酸化ストレスを消去する力を失ったアルブミンは漏出させるのがいいのです」という大きな前提でやれ4gがいいとか、否8gまで漏出がいいとかの議論を行っています。

 

しかしながら、4時間のオンラインHDFでいくら抜こうがHDと予後の差は出ていないのが現状と認識しています。

 

佐賀の前田先生の6時間透析の20年の予後は恐らく世界的にも優れた成績だと思います。6時間HD週3回。

 

タサンの研究成果や佐賀の前田病院の結果を理論的に検証してゆく必要を感じます。

 

抗酸化作用を持つアルブミンがその機能を失えば、健腎者では血管内皮でまた還元型に戻すようです。健腎者の酸化型/還元型アルブミン比は70%が還元型で、CKDの進行に伴って還元型の比は下がり、CVDのリスクと相関しています。

 

この酸化型/還元型アルブミンの比は酸化ストレスのマーカーに他なりません。

 

一般の透析患者の還元型アルブミンは低下してます。

 透析方法の差がこのマーカーに差をももたらすかは、多いに興味のあるところです。抜く透析(HDF)だけではどうでしょう。

 

酸化ストレスのマーカーだけで、透析患者のCVDリスクをすべて説明は出来ないでしょうが、「いい透析の方法」の一つにはなるでしょうね。

 

色々と検証する時期が来ていると思います。

山中伸弥教授のiPS細胞は「腎不全医療」を変える事が出来るか?

2012.10.24 カテゴリ:再生医療

移植手術の技術的な面は、手技としては克服出来ています。

 

肝移植も腎移植も1960年代に成功しています。

 

一番の大きな問題は拒絶反応との戦いでした。

 

iPS細胞はどこまで再生医療に貢献出来るのか?

細胞の初期化とはどういう事でしょう?

生殖細胞と体細胞。

その間を取り持つ受精卵。

 

受精卵は母親のお腹の中で、精子と卵子からそれぞれ染色体に織り込まれたゲノムDNAという設計図を展開してゆき、ここの組織に分化してゆくプロセスを監視しながら組織を作ってゆきます。

 

1つの受精卵という細胞から、分裂を繰り返しながら、心筋や皮膚や肝臓や腎臓になってゆく細胞に分化してゆく。

そして胎児となり、生まれてくる。

一度分化したら後戻りは出来ないのが体細胞だと教科書には書かれていました。

しかし、人間の肝臓は、切除後に再生して元の大きさにまで戻ります。トカゲのしっぽは切っても生えてきます。

元々再生能力は潜在的にはあるはずです。皮膚の細胞の中では皮膚としての働きをする遺伝子だけが働くように他の遺伝子(3万個あると言われていますが)は目隠しされているのでしょう。

 

山中教授はその目隠しを取り除く方法を見つけたと言う訳ですね。

しかもたった4つの遺伝子をウイルスを使って皮膚の細胞に入れるだけで、創ってしまった。

再生医療の問題はES細胞を用いていた事に大きな倫理問題がありました。

 

ヒトの受精卵を壊して、核を取り除いて体細胞の核を入れてつくるES細胞は倫理的な問題を多く孕んでいます。

iPS細胞で腎臓を創る事が出来るのか?

 

実は、ラットの皮膚細胞からiPS細胞を創り、膵臓を造れなくしたマウスにラットの膵臓を持つマウスを実験的には創る事が出来ているそうです。(キメラです)

ブタで、人間(腎不全患者からの細胞で)の腎臓を創るようには出来るようになりかもしれません。

その腎臓を移植する。

 

この問題は技術的には可能になるでしょうが、倫理問題がはやり重要となります。

精子を造る。卵子を造る。体外受精をして誰かのお腹を借りる。

 

新しい発見は、これまでの常識では考えれなない倫理問題を引き越す事が想像されます。

 

この発見は、やはりノーベル賞に値する発見だったようです。

 

彼のラボでは、知的財産の問題や倫理的な問題も検討しているそうです。

 

生きている内に、再生医療にどう活用されるかを楽しみにしたいですね。

 

 

▲PAGE TOP