治療の考え方

現代の医療水準からみて適正透析を目指します。
また患者様が十分に満足のできる体調の良い満足透析を達成します。

「しっかり食べる」「しっかり動く」「減塩の徹底」を患者さまへの指導と目標とし、「良好な栄養状態」「筋肉量の維持」「心肺機能の向上」「貧血の改善」を目指します。
減塩の徹底は「体重管理を容易」にして、「高血圧の管理」「心肥大の抑制」につながります。
心肺機能の向上は長時間透析でも倦怠感を感じない透析中の体力を身につけ、当院での十分な透析治療を受けることが出来ます。

食事療法の重要性

透析患者はエネルギーが必要です。1日35kcal~40kcal食べてください(標準体重の1kgあたり)。
カロリーはご飯(炭水化物)でとりましょう。蛋白質もしっかりとる必要があります。
1g~1.2g(標準体重1kgあたり)リンは透析で抜くべきで、過度な蛋白質の制限は免疫能力を低下させ、痩せる原因になります。
一番大切なのは水分制限ではなくて塩分制限です。1日あたり6g以下に抑えましょう。
体内の塩分濃度を調節するのに、約8gの食塩で1リットルの水が必要となります。
のどが渇くのは抑えることはできませんが、塩分を制限することで水分は必要以上に飲む必要はなくなります。

運動療法の重要性

しっかり食べて、しっかり運動してカロリー消費と筋肉をつけましょう。
筋肉量の多い人ほど、体力と免疫力がつきます。また心肺機能の高い人ほど透析後の倦怠感を感じません。
運動機能の現状把握と向上のために腎臓リハビリテーションを進めています。
腎臓リハビリテーションについてはこちら

十分な透析量(時間と回数)

心肺機能に配慮して、ゆっくり時間をかけて水分を抜きましょう。
透析時間(除水時間)を考慮して、「蛋白質を燃やした毒素を、しっかり抜き」「必要なエネルギーを、できるだけ抜かない」透析条件にしています。

しっかり透析を支える治療の特徴

透析液の清浄化

原水、RO装置内RO水ループライン❸❹透析液ライン濾過フィルター(微ET)前後オンライン補充液用サンプリングポートから採取した透析液のエンドトキシン濃度の測定、細菌数は検体量100mlをメンブレンフィルター法にて7日間培養し、オンライン補充液の評価を行います。エンドトキシン濃度は0.001EU/ml以下(測定感度以下)、細菌数は0.1CFU/ml以下(無菌)を確認し、日本透析医学会が定めるオンライン補充液の数値目標を達成しています。

RO装置と透析液供給装置・溶解装置の青いループとRO装置内部のプレフィルター・活性炭フィルター・LRO膜・RO膜を熱水にて洗浄します。
透析液供給装置から透析監視装置の黄色いラインは、過酢酸と次亜塩素酸による薬液消毒を行っています。

オンラインHDF

オンライン補充液は2本の直列のETRF(エンドトキシン捕捉フィルター)を通過後、無エンドトキン、無菌を 担保され、多用途透析監視装置DCG-03を用いて患者様の病態に合わせて、通常透析から前希釈大量置換オンライン HDFまで施行可能となりました。 透析時間は効率の良い4時間から6時間までの長時間も行えます。 オンラインHDFにより、血流量の増加が可能となり、小分子から中分子蛋白までの除去能が高まり、 高リン血症 の改善から、アミロイド症の予防、透析中の循環動態の安定効果が得られます。

清浄化による臨床効果

透析液の清浄化による臨床効果は以下の報告がされており、 生命予後の改善も期待できます。

血清β2ミクログロブリンの産生抑制 肝でのアルブミン合成低下の改善
手根管症候群の進行抑制や慢性炎症の改善 酸化ストレスの改善
貧血の改善 動脈硬化の予防

オンラインHDFの臨床効果

オンライインHDF療法はさらに腎臓の糸球体と同じ原理である濾過を促進させることで、中分子領域の蛋白質を積極的に除去することが可能となります。
とくに関節痛、皮膚掻痒感、不眠、イライラ感、restlesslegs症候群などに対して有効であると報告されています。適応症は透析アミロイド症と透析困難症です。

掻痒症【原因】分子量10000~20000の物質
貧 血【原因】造血阻害因子の除去(アルブミンに近い領域)
関節痛【原因】分子量30000~40000の物質
いらいら感【原因】大分子量uremic toxin
栄養障害【原因】アシドーシスや大分子量uremic toxin
透析アミロイドーシス【原因】β2ミクログロブリン等
色素沈着原因は明らかではない
透析困難症透析中の血圧の安定、透析低血圧の予防

「満足透析」のための在宅透析

「満足透析」と「十分な透析量」を達成するための方法の1つとして在宅透析を勧めています。家庭で透析治療ができるためメリットがたくさんありますが、デメリットや条件もあります。
HHDチームについてはこちら

★メリット
・社会復帰ができる(仕事に支障ない時間に透析ができる)
・家族との時間が増える(時間を有効に使える)
・自宅で自由な時間に透析治療ができる
・医療機関への通院が月1回になる
・十分な透析量を確保できる
・血圧が安定し栄養状態が良くなる

★デメリット
・自己管理・自己穿刺が必要となる
・介助者が必要不可欠であり、介護者も一定の訓練が必要
・自己負担がある(電気・水道代)月2〜3万円程度(透析時間と回数による)

★当院での在宅血液透析(HHD)適応条件
(1)本人の希望し、介助者の同意があること
(2)自己管理(自己穿刺・装置操作含めて)できること
(3)大きな合併症がなく体調が安定していること
(4)主治医が在宅透析を承認しており、教育を受けられること
(5)在宅血液透析(HHD)に伴う部屋の改修工事が可能であること

設備・機器紹介

機器名称機 能
DRO-EXRO水製造装置
DAB-20E透析液供給装置
DCG-03多用途透析監視装置
SIMENS RAPIDLAB 348動脈血液ガス測定装置
TOXINOMEYER MINIエンドトキン測定装置