石川 隆敏
医療法人社団 藍蒼会
しもかどクリニック 院長
はじめまして。
令和 4 年 8 月よりしもかどクリニックで勤務させて頂いております。石川隆敏です。
私が透析医療に携わり約 20 年になりますが、透析医療の進歩により長期の透析患者数は増加し、日本社会の高齢化に伴い新規の透析導入患者の高齢化がますます進んでいます。それと共に糖尿病、心不全や狭心症等の動脈硬化による循環器系疾患、整形外科的疾患、悪性腫瘍などの合併症を有する患者様が増加しています。さらに筋肉量の減少・筋力低下により身体能力が低下した状態(サルコペニア)、それに加えて精神心理面、社会生活面も含めた機能低下がみられる(フレイル)の方が増え、透析医療現場でもそれに応えることが求められています。一方、就業年齢の患者数の減少により夜間透析実施施設が減少している現状があ り、患者様の社会復帰の手助けを継続していく必要があります。
しもかどクリニックでは、「しっかり食べて、しっかり動いて、しっかり透析」を治療目標にしています。私自身の経験上も、よく食べて栄養状態のいい患者さんは厳しすぎる食事制限をしている患者さんよりも元気で長生きされています。よく食べて栄養状態の良い患者さんは活発で良く動けます。それが筋肉量を維持し、体力、心肺機能、免疫力の低下を防ぐことに繋がります。そして、しっかり食べるためには、しっかりと十分な透析が欠かせません。そのために、透析液の清浄化に極力努めること、心肺機能に配慮しゆっくり時間をかけた除水を行うこと、体内で出来た尿毒素のうち小さな分子から中程度の分子まで透析 (HD)より大幅に除去可能なオンライン HDFを個々の患者さんの病態に合わせ可能な限り行い体に優しい透析治療を心掛けています。高齢でサルコペニア・フレイルの状態の方に対しては、運動機能の現状を把握し身体機能向上を目指してリハビリテーションを進め、地域のケアマネジャーとも連携を諮り訪問介護やデイサービス等の社会資源を利用して頂くなどの支援をして参ります。一方、仕事をしながら透析を受けられている患者様の社会復帰を応援するため、夜間の長時間透析や在宅透析にも対応し患者様をサポートして参ります。また、シャントトラブルをはじめ種々の心疾患や虚血肢、悪性腫瘍、整形外科的疾患等の合 併症に関しては、病態に応じて近隣の専門医療機関との連携により最善の治療法が得られるよう取り組んでおります。
「自分の家族や身内ならどうするか?」を常に問い直し患者さんの目線に立つことを心がけこれからも診療を行い応援していきたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。